西方見聞録 8 バスラ大学への通勤路

なんちゃって紀行



バスラの街からシャット・アル・アラブを渡ってタヌーマ地区に入ると右手に大きなな森が広がる。



厳しい暑さの予感漂う朝の空気のなか出勤中の車窓から見えるのはナツメヤシの樹。イラクの国の樹と定められていて不用意に傷つけると重い罰が科される。これはサダム・フセインによるナツメヤシ産業振興政策によるものだとドライバーが教えてくれた。

実を干したデーツは甘く滋養に富んでいる。食味は幾分干し柿に似ているが遥かに甘みが強く脂っぽい。日本ではなじみの薄い食べ物だが、映画「インディジョーンズ」でサルが盗み食いしていたのがそれである。私達の身近ではお好み焼きソースの原料となっていてコクを出すのに欠かせないとのことだ。また実から得られるパームオイルは多くの食品・化粧品で使われている。

 

   
タヌーマ地区からイランのコラムシャフルに続く道沿いののナツメヤシ

イラク産デーツ

   
 

バスラでよく見る家の造り

ナツメヤシを眺めること3分ほどでバスラ大学に到着する。ちなみにこの道を更に20分ほど行くとイランとの国境だ。


大学入口で周りを見れば民家が並んでいる。
家は日干し煉瓦で造られている。50度に達する暑さを和らげるのに最適だそうだ。文明発祥の地の知恵は伊達ではない。ところで日本で多用される木材は中東では貴重品だ。乾燥と塩を含む土壌のためだ。豊富にあるナツメヤシは線維が粗く建具には向いていない。


大学の入口から暫く進んで振り返ったのが下の写真。以前Flickrにて誤ってバグダッドの風景と題して投稿したところコメントが来た。アラビア語で「これはバスラだよ」との御指摘だ。

情報伝達に距離は無意味を持たない。以前は異国の見知らぬ人から、撮った写真の場所を教えてもらうなど夢で見ることもなかった。


しかし今こうして見るとなかなか綺麗な並木道だ。

   
 

バスラ大学構内の並木道

 
   

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