西方見聞録 3 クルナ、エデンの園といわれるところ

なんちゃって紀行

クルナはバスラの北北西50Kmに位置し旧約聖書の創世記にある 'エデンの園' の地だといわれている。




地名al-Qurnaはアラビア語で角(かど)の意味。英語のcornerに対応する。これらの単語は語源は共通のようだ。
チグリス川とユーフラテス川はこの地で合流しシャット・アル・アラブとしてアラビア湾へ注ぐ。

アダムとイブのお話はご存じだろう。蛇に騙され禁断の知識の木の果実を食べてしまい、怒った創造者から楽園を追われてしまう我々人類のお話である。ここクルナにはその樹があるという。聞けば現存する樹はその末裔とのことだ。先代の朽ちた幹が傍らの箱に保管されており側面に由来を示す銘板がある。

こう書いてある。

「紀元前2000年頃、アブラハムが祈りを捧げた処でチグリスとユーフラテスが合流するこの神聖な地は、父アダムが育った地上の楽園のエデンの園と伝えられている。この樹はその地を象徴するものです。」


神話だ。何せ人類文明発祥の地だ、そうだと言われればそうなのだろう。イスラム教、ユダヤ教、キリスト教の共通テーマにまつわる地と伝えられていることから多くの人が訪れる。残念なことに写真の樹はその後枯れてしまったそうだ。

 

 

アダムの樹

エデンの園の住人

   
   
 

アダムの樹の由来が書かれている銘板

木のそばには愛想のいい二人の少女がいる。

観光客慣れしているようでしきりと話しかけてくるがアラビア語なのでさっぱりわからない。何せ少女である、何か喋ってはケラケラと笑っている。

カメラを向けると素人さんとは思えないポーズと微笑みで応える。男の子だとこうはいかないものだ。それにしても顔の彫が深いせいか笑顔に華がある。

旅の短いひと時のお供をしてくれたお礼でもないが、普遍的な行動に落ち着く。取って置きの日本のアーモンド・チョコをあげると嬉々としているエデンの園の住人はきっと世界中のお菓子の味を知ってるんだろう..

 

チグリス川とユーフラテス川が交わるところ

 

川岸にて周りを眺めてみれば静かなところだ。

地形は川面と地面の高低差が少ない。これはイラク南部に共通している。このためかそう遠くないところにマーシュと呼ばれる地形がある。水郷地帯で土は肥沃だそうだ。

何も知らなければただの川。ところが人類文明発とかエデンの園とかである。そうなると地元北海道の石狩川の川面とはずいぶん違って見える。



無用の戦争が終わり時が経過した今、西クルナでは米国資本による大規模油田開発が進行中。またか、という類のお話だ。彼の地の人にとって踏んだり蹴ったりとはこういう事を指すのだろう。

全て他人事とするには長すぎたイラク滞在だ。

 
 

Marsh land - マーシュ(湿地帯)

from A Travel Guide - 1982
  STATE ORGANIZATION OF TOURISM, IRAQ

   
   
   
   

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