画像処理 星空のいざない 
   


初めて撮影した天体の写真を見ると何かが写っている事に驚きと嬉しさで興奮してしまいます。

でも興奮が収まるとメリハリの無さに幾分戸惑いを感じてしまいます。それはそうです、ハッブル宇宙望遠鏡などの画像を見慣れた私達の目には何とも頼りない写真です。しかしご心配なく。NASAの写真は人類の英知を結集して最高の撮影機器と画像処理技術で仕上げたもので私達が撮影した画像が最初からそのように見えるはずもありません。趣味の世界でも天体写真には画像処理が必要です。


天体はこれが正しい見え方というものがありません。魅力ある写真に仕上げるには良質な手本を見て目を養っておくのがいいでしょう。世界の写真共有サイトを見回すと驚くほど綺麗な写真に仕上げる人達がいます。一見の価値があります。


最終的に仕上がった写真を得るまでに、星空の下で撮影に4時間。画像内容を確認しながら処理して小一日掛ります。良い撮影に恵まれれば細かな仕上げに数日掛けたくなることもあります。
 

画像処理に多くの手間が掛るのが天体写真。コンピュータのスキル、特に画像処理は相当の知識が求められます。とはいえ諦めるのは早計。地道にトライすれば体が覚えます。

右の画像はM31 - アンドロメダ銀河の撮りっぱなしの画像と処理後の対比です。
処理前のイメージは1フレーム、処理後のイメージは十数フレームを処理し重ね合わせたもので単純に比較するのは適当でありませんが、このような違いとなって現れます。丁寧に整えた画像は特定の色を微妙に調整するだけで驚くほど変化します。

天体画像を処理する上で幾つかの要素(factor)があります。

 一般写真と共通の処理要素
  ・明度/コントラスト/色相/彩度の調整
  ・鮮鋭度の調整
  ・周辺減光/カブリの修整
  ・歪みの矯正

 天体写真特有の画像処理
  ・複数画像の重ね合わせ
  ・マスクを使う強調処理
  ・星像だけを引き締める処理
  ・強力なノイズ低減
  ・背景だけを滑らかに
  ・ダーク補正・フラット補正

 



アストロアーツ社のステライメージは優れた天体画像処理ソフトで、日本におけるこの分野のスタンダード。Adobe photo shopは世界標準の画像処理ソフトで多くの分野で活用されています。

カメラメーカーのソフトを忘れてはいけません。Nikon Capture NX/NX2の写真を綺麗に整える能力は強力です。

他に特記しておきたい画像処理ソフトがあります。

Registax

 動画から各フレームを抽出し画像を重ね合わせてくっきりしたイメージを作り出すソフトです。 CCDカメラで撮影した動画から
 月や惑星の画像を得るのに活用されています。無料で使えます。

Neatimage

 画像ノイズを軽減するソフトです。天体撮影は高感度・長時間露光が殆どて、根本的にノイズの多い画像になってしまいます。
 これを軽減しなめらかでくっきりした仕上げを助けてくれるのが Neatimage。こちらも一部機能が制限されるものの無料で不自
 由なく利用できます。